私たちについて
はじめまして、私たちは「りつにじ」(旧:多様性を目指す教員の会)です。
この会は、LGBTなどの子どもたちが過ごしやすい教室を作るための勉強会です。教職員を中心に構成されています。自主勉強会を開催し、授業案の作成や教材開発を行っています。また、依頼があれば、勉強会の講師や講演等も行っています。
性の多様性については、様々なところで勉強会などが開催され、少しずつ社会的認知も広まってきているとは思います。ただ、小さな子どもたちに対してはこうした情報は必ずしも行きわたっているとはいえず、今も多くの子どもたちが「自分はおかしいのではないか」と悩みを抱えたままでいることと思います。そうした状況を変えたいと思い、この勉強会を発足させました。
このサイトでは、性の多様性についての授業がいつでも行えるように、また、学校関係者への提案がしやすいように、当勉強会で研究・収集した資料等を順次公開して行く予定です。指導案等については、勉強・研究が足りない点が多々あると思いますが、ご利用になる先生方でさらに練っていただき、使いやすいものにしていただけたらと思います。また、一緒に勉強会のメンバーとして活動してくださる方も募集しています。
LGBTなどの子どもたちにとって、安心で安全な教室作りを目指します!
私たちの活動内容について
活動内容
- 自主勉強会の開催
- 性の多様性に関する授業実践についての情報収集
- 授業案の作成や教材の研究など
- 勉強会の講師や講演等
勉強会には、教職員の方だけでなく、教育に関心のある方もご参加いただけます。東京都内で、年3回程度で不定期に開催しています。開催情報は、フェイスブックやホームページに掲載します。ご興味ある方は、ぜひご参加ください。
これまでの主な実績
当勉強会またはその所属メンバーが行ったこれまでの主な活動をご紹介します。
- 2023年12月 「こころの科学」(233号、2024年1月号) に当会メンバーが寄稿しました(「教室で考えるセクシュアリティとジェンダー」こころの科学 233号)。
- 2023年4月 「東京レインボープライド2023」ウィークイベントとして、「先生必見!「壁を超える授業」~自分の中の偏見や社会の中の差別に気付く授業づくりへの挑戦~」を開催。
- 2022年5月 「~コロナ禍の学校、性の多様性の取組みはどうしてる?~」を、主催:セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク、共催:虫めがねの会・多様性を目指す教員の会にて開催。
- 2021年6月 「月間 学校教育相談」(2021年6月号)、連載『一人ひとりの「性」を大切にできる教室へ』(執筆:にじーず代表遠藤まめた氏)の『第15回 違うってステキでしょ。小学校での実践』にて、当会メンバーが行った授業実践が紹介されました(月間学校教育相談2021年6月号)。
- 2020年11月 絵本の世界から多様性について考えよう『りつとにじのたねの読み聞かせ&トークイベント』。プライドハウス東京コンソーシアムの教育・多様性発信チーム、Visa、オーストラリア大使館の連携により、イベントが開催されました。
- 2020年8月 「セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク オンライン東京学習会&実践報告会」を、主催:セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク、共催:多様性を目指す教員の会・虫めがねの会にて開催。
- 2020年3月 絵本「りつとにじのたね」(第3版) をリーブル出版から出版。
- 2019年11月 「哲学対話」の専門教員をされている土屋陽介先生を講師にお迎えし、「多様性を「てつがく」する時間 ~進め方から実践まで~」を開催。
- 2019年4月 「東京レインボープライド2019」ウィークイベントとして、「教えてチウ先生! 出前授業のホントのところ」を開催。
- 2019年2月 東京学芸大学・国際教育センター開催「第8回多文化共生フォーラム『性の多様性と学校教育の課題―海外の事情と日本の現実―』」に、パネリストとして参加。
- 2018年12月 どこでも虹トーク主催「現役小学校教員からlgbt授業・研修のヒントを学ぶ」において、講師を務める。
- 2018年9月 「セクシュアル・マイノリティ フォーラム2018 in 世田谷らぷらす」に、パネリストとして参加。
- 2018年5月 「東京レインボープライド2018」において、イベント「性の多様性の授業、小学校実践報告」を開催。
- 2018年4月 絵本「りつとにじのたね」(第2版) をリーブル出版から出版。
- 2018年1月 東京都内小学校にて、小学校4年生を対象に、性の多様性に関する授業の講師を務める。
- 2017年12月 東京都内にて、「岡山県倉敷市に学ぶ「多様性の教育」」を開催。講師に、倉敷市教育委員会人権教育推進室の松尾真治様を招聘。
- 2016年11月 東京都江東区初の開催となる子育て交流見本市「こうとう子育てメッセ2016」において、絵本読み聞かせ企画とブース出展。
- 2016年11月 なは女性センター開設20周年記念シンポジウムの教職員ワークショップにおいて、講師を務める。
- 2016年9月 都内で開催された教員の自主勉協会において、LGBTなどの基礎知識、授業実践についての講師を務める。
- 2016年8月 「全国虹の大会 性的マイノリティの理解を進める・愛媛大会」において、ブース出展。
- 2016年5月 「東京レインボープライド2016」の学校教育シンポジウムで実践例を報告。
- 2015年7月 絵本「りつとにじのたね」をリーブル出版から出版。
- 2015年5月 「東京レインボープライド2015」の学校教育シンポジウムで実践例を報告。
その他、様々な講演会や勉強会などに参加し、学びを深めています。
絵本「りつとにじのたね」を、子どもたちへ!
絵本「りつとにじのたね」は、当会メンバーの現役小学校教員がお話を考えた絵本です。
絵本「りつとにじのたね」 定価1500円(+消費税)
文 ながみつ まき / 絵 いのうえ ゆうこ / 出版社 リーブル出版 / ISBN 978-4-86338-150-6
~あらすじ~
くまの国に住む小学生のりつ。かわいい服やものが大好きな男の子です。
同級生たちはそんなりつを笑います。
「ぼくは、 すきなものを すきって いいたいだけなのに…」
傷ついたりつは、くまの国から旅立ちます。
「自分は普通と違う」と思い込んで悩んでいる子どもたちに『そのままでいいよ』『ちがうことは すてきなことだよ』というメッセージが込められた絵本です。
~どこで買えるの?~
絵本「りつとにじのたね」は、全国の書店やアマゾンなどのインターネットから購入できます。書店に在庫がない場合でも、取寄せてもらうことができます。
図書館に入っていることもあります。図書館に入れてほしい場合は、リクエストをしてみてもいいかもしれません。
2016年7月に第1版を出して以降、2018年4月には第2版、2020年4月には第3版を出版しました。現在1200冊近くが、学校や図書館、たくさんの方のお手元に届いています。
第2版増刷のときにはクラウドファンディングを行い、たくさんの方のご協力によりプロジェクトは大成功しました(専用ページ)。たくさんの温かいご支援、ありがとうございました!
~作者からのメッセージ~
この絵本の作者ながみつまきからのメッセージを掲載します。
ねずみのチウは、にじのくにを「だれもがだいじにされるくに」だと話しています。
私は教員をしていますが、セクシュアルマイノリティの子どもたちがどのような思いで学校生活を送っているのか、数年前まで考えたことがありませんでした。しかし、「だれもがだいじにされる」学級を願いながら、本当の意味で大事にできていなかったのではないか、そう気づきました。
「だれかをないがしろにする」教室にしたいとは、誰も考えていないと思います。でも、「知らないこと」によって尊重されない誰かが生まれてしまうことがあると知りました。自分が知らずに傷つけている子どもがいるかもしれない。これは大きな衝撃でした。そこで、教員として自分にできることは何かと考え、同僚たちの協力を得て、この絵本を制作することにしました。
「りつとにじのたね」には、二つの願いを込めました。
一つは、お話しを通じて、自分の中に「ちがい」への偏見があるかもしれないと気付いてほしいということ。子どもも大人も、気がつくことができれば自分自身を変えることができます。
もう一つは、傷ついている子どもたちに、「にじのたね」を届けたいということ。絵本がその子にとっての「にじのたね」になってくれたらいいなと思いました。りつならば、ふわふわの身体で、「そのままで素敵なんだよ。」と寄り添ってあげられるかもしれません。
「だれもがだいじにされる」とはどういうことでしょうか?
「りつとにじのたね」を通じて、子どもだけでなく、大人のみなさんにも再度考えていただけたらと思います。
おすすめの絵本・本・雑誌
<本・雑誌>
「LGBTのひろば」 (こころの科学)、2017/9/25、大塚 隆史・城戸 健太郎 (編集)
元小学校教員が寄稿した「ガラスのバリアへの気づき」は、教員必読と思います。
「月刊学校教育相談 2021年6月号」
連載『一人ひとりの「性」を大切にできる教室へ』(執筆:にじーず代表、遠藤まめた氏)。第15回『違うってステキでしょ。小学校での実践』に、当会メンバーの授業実践が紹介されています。
「カミングアウト・レターズ : 子どもと親、生徒と教師の往復書簡」
すべての先生方へ。「今まで当事者の子どもには出会ったことがない」という先生がいたら、是非とも読んでほしいと思います。
「インスタントヘルプ! 10代のためのジェンダークエストトレーニング: 性のアイデンティティ、その悩み・不安から心と体をヘルプするワーク (10代の心理をサポートするワークブック)」
10代のユースが、気になっていることを自分で調べたり、ヒントを見つけたり、考えたりすることができる本。ワークブックになっているので、グループでの話合いに使うこともできます。自分を守るためのミニ知識も豊富。
「子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める!」
子どもがすぐ手に取れる場所、学級文庫、図書館、保健室に置いてほしい一冊。子どもが自分の身を守るため、困ったとき、悩んだとき、嫌なときにどうすればいいかを具体的に教えてくれます。
<絵本>
「わたしはあかねこ」
真っ白なしろねこかあさんと、真っ黒なくろねことうさんからうまれた「あかねこ」。悩みながらも前向きに進むあかねこの魅力にハマります。
「レッド あかくてあおいクレヨンのはなし」
巻紙は「あか」のクレヨンだけど中身は「あお」のよう。いろんな色があるというところも直感的に分かりやすいです。
「ええやん そのままで (エルくらぶ)」
関西弁の語り口でストレートに「じぶんってステキ」と優しく伝えてくれる絵本。
「ピンクになっちゃった!」
ある日突然ピンクになっちゃったパトリック、ペンギンの世界を飛び出したけど、たどり着いた先は。
「りつとにじのたね」
かわいいものが好きな男の子りつが、にじのくにから持ち帰った「にじのたね」。手のひらの中にあった「たね」は、最後どこに消えたのでしょうか。
「にげてさがして」
子どもだって、やばいものから逃げていいんです。自分を守るために、やばいものから逃げて、支えてくれる人を探す勇気をもらえます。
「マチルダとふたりのパパ」
パパ二人だからって、アイスクリームをたんまり食べられるわけじゃありません。「なんだ、ウチとおんなじだ」という気付きを経て「特別」だと思っていた気持ちが溶けていきます。
「ふたりママの家で (PRIDE叢書)」
ふたりのママと3人のこどもたち。無理解な人がいても逞しく生きていく姿には勇気づけられます。ファンタジーの世界の出来事ではなく、ふたりママは現実に存在していて、日常生活を送り添い遂げていく姿が描かれているところも素敵です。
「いろいろ いろんな かぞくの ほん」
いろいろな形の家族が分かりやすく紹介されています。家族構成や住んでいるところ、日常の過ごし方、お祝いの仕方もそれぞれ違う。同じ家族の中でも、気持ちが違うときがある。家族は多様だよと教えてくれる絵本です。
リンク集
- 人権教育実践資料3「性の多様性を認め合う児童生徒の育成2」
作成:岡山県倉敷市 教育委員会 人権教育推進室(2018年4月公開)
※人権教育実践資料2 性の多様性を認め合う児童生徒の育成1」
作成:岡山県倉敷市 教育委員会 人権教育推進室(2017年4月公開) - 教職員のためのセクシュアルマイノリティサポートブック(Ver.4)
作成:奈良教職員組合(2018年1月公開) - 『「性はグラデーション」 大阪市淀川区・阿倍野区・都島区 3区合同ハンドブック』
作成:大阪市淀川区・阿倍野区・都島区(2015年12月公開)