絵本「りつとにじのたね」は、当勉強会所属の現役小学校教員がお話を考え、自費出版した絵本です。

~あらすじ~
くまの国に住む小学生のりつ。かわいい服やものが大好きな男の子です。
同級生たちはそんなりつを笑います。
「ぼくは、 すきなものを すきって いいたいだけなのに…」
傷ついたりつは、くまの国から旅立ちます。
「自分は普通と違う」と思い込んで悩んでいる子どもたちに『そのままでいいよ』『ちがうことは すてきなことだよ』というメッセージが込められた絵本です。

この絵本の作者ながみつまきからのメッセージを掲載します。

ねずみのチウは、にじのくにを「だれもがだいじにされるくに」だと話しています。

私は教員をしていますが、セクシュアルマイノリティの子どもたちがどのような思いで学校生活を送っているのか、数年前まで考えたことがありませんでした。しかし、「だれもがだいじにされる」学級を願いながら、本当の意味で大事にできていなかったのではないか、そう気づきました。

「だれかをないがしろにする」教室にしたいとは、誰も考えていないと思います。でも、「知らないこと」によって尊重されない誰かが生まれてしまうことがあると知りました。自分が知らずに傷つけている子どもがいるかもしれない。これは大きな衝撃でした。そこで、教員として自分にできることは何かと考え、同僚たちの協力を得て、この絵本を制作することにしました。

「りつとにじのたね」には、二つの願いを込めました。

一つは、お話しを通じて、自分の中に「ちがい」への偏見があるかもしれないと気付いてほしいということ。子どもも大人も、気がつくことができれば自分自身を変えることができます。

もう一つは、傷ついている子どもたちに、「にじのたね」を届けたいということ。絵本がその子にとっての「にじのたね」になってくれたらいいなと思いました。りつならば、ふわふわの身体で、「そのままで素敵なんだよ。」と寄り添ってあげられるかもしれません。

「だれもがだいじにされる」とはどういうことでしょうか?
「りつとにじのたね」を通じて、子どもだけでなく、大人のみなさんにも再度考えていただけたらと思います。

 

絵本「りつとにじのたね」 定価1500円(+消費税)
文 ながみつ まき / 絵 いのうえ ゆうこ / 出版社 リーブル出版 / ISBN 978-4-86338-150-6
Amazonからお買い求めいただけます。